宋家の三姉妹

比較的早目に起きたので映画を観に行くことにした。映画館がちょうど散歩にいい距離にあるのは便利。見たのは、全然知らないけどタイトルで何となく興味をもった午前十時の映画祭の「宋家の三姉妹」。映画館に入ると子どもがいっぱいでものすごい行列。間に合わないかと思ったら早い時間帯のを別カウンターで販売してくれて何とか間に合った。この映画が混んでいたわけではない。で、期待も何もなくただ見たわけだが、ものすごく面白かった。どこまで史実に基づいているのか知らないけど、政治と経済と男女愛と家族愛と権力というテーマとして魅力的な要素てんこ盛りで、それを中国的な悠久で包み込み、恋愛映画っぽくして、大衆的に美しく描いていて、てんこ盛りゆえの半端さも感じない。さすが中国映画と思ったら日中合作なんだ。いやはや、とってもとっても面白かった。

宋家という財閥の三姉妹が父親から帝王学でもって教育される。長女は経済界の有力者と結婚し、次女は孫文と、三女は蒋介石と結婚することになる。この頃の自分の歴史的知識はひどく乏しく、孫文が日本に亡命していたことと、蒋介石が国民軍と台湾に渡って、そして今日の問題につながっているということくらいなものだが、それとあとは多分足を映す場面が多かったのは女性の表象としての纏足だろうくらいは感じたけど、娯楽映画に仕上てあって、そんな自分でも全く飽きなかったし泣けた。蒋介石が宋家の影響で聖書にえらく影響を受けていたことを初めて知った。物語に始まりはあるけど終わりはない―、という歌が通底音。セリフが故事からだろうか、それと聖書からだろうか、ことごとく教訓的。政治家とは軍人とは経済人とは、をくっきり描いて、イデオロギーの破壊力もよく分かる。ハリウッド映画みたいなスケールだけど、アジア的価値観が底にあるかキリスト教的かはもう全く違い、やはりアジアならではの親しみを覚える。娘に激しくおススメした。あの時代をちょっと勉強してからの方がいいよ、と。まあ、あちらはまだ若いので学校的歴史の知識は親よりあるはず。

Commented by jun at 2015-12-23 17:04 x
三姉妹の人生はそれ自体が大変な歴史ですね。予告で観ましたが忘れていましたので、教えていただき良かったです。
ところで私は今、連句を学んでいる中で次の句への付け方は内容が関連しつつも転じることが求められていると習いました。
ですから、ブログへのコメントも連句の付け合いと思えば、少し違うことを書いても許されるのではないかと勝手に思い失礼をしています。
姉妹と小説関連で話は転じますが、四人姉妹が主人公の『細雪』の作者谷崎潤一郎が、川端の代わりにノーベル賞を取った可能性があったと今日知りました。10月にNHKで放送されたドナルド キーンさんの証言で、氏が当時アカデミーから意見を求められ一番には谷崎を推したということでした。三番目には三島だったそうです。
Commented by kienlen at 2015-12-24 09:29
junさん、見たら良かったのに!連句、面白そう、いいなあ。昔、俳句の心得がなくてもできて自由な連詩で遊んでいたことがありましたが、とっても楽しかったです。座の文芸っていいですよね。ノーベル賞の件、ふうん。谷崎、川端、ちゃんと読んだことないですねえ。
by kienlen | 2015-12-23 14:42 | 映画類 | Comments(2)

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