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家族の絆

夫婦別姓の議論が高まっていた19年前、何だったか地区のイベントで全然知らない男性から唐突に「夫婦別姓についてどう思うか」と声をかけられたことがある。「苗字を変えると銀行だの保険だの全部手続きが必要で、結婚でそれをやって離婚でまたやることになったら大変面倒なので、別姓を選べるようにした方がいい」と迷うことなく答えた。するとその男性は「結婚する時に離婚のことを考える人なんかいない!」とえらい勢いで怒ってその場を去った。何が何だか分からなかった。そしてひじょうに気分が悪かった。こちらは見ず知らずの方のいきなりの問いに対して、ごくまじめに率直に自分の考えを述べただけで、怒られるいわれはないはず。せめて「結婚でそういう面倒を経たら、二度とその手間をかけたくないから離婚もしたくなくなり、これすなわち家族の絆」とか、そのくらいのひねりを効かせてくれればいいのに。

今また選択性夫婦別姓について一部では話題になっているらしく今日のクローズアップ現代がそれだったので見てみた。賛成の理由は切実だったが、反対の理由はさっぱり分からなかった。反対の立場で登場した人は「親が離婚しているから」とのことで、その離婚の理由が別姓にあるのだったら分かるけど、姓に関してのメンションはなかったように思う。もし同姓であって離婚したんなら、主張と矛盾するんじゃないだろうか。現行を守りたい場合って変えたい場合より理由が弱くなるのはしょうがないとしても、家族の絆や一体感が崩れるとか、家族崩壊を助長するとかいうのはよく分からない。今起きていることって同姓という制度の中で起きているのであって、別姓を選べるようにしたからのことじゃないし。ちなみに外国人との結婚だと選択できて便利です。今日会った人は、相手の苗字を自分の苗字にくっつけていた。ウチの家族の絆が弱いとして、それを別姓のせいにしたところで誰にとっても何の益もないし、しないですけど。


by kienlen | 2015-12-07 21:10 | 社会的話題 | Comments(0)

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