『動物と人間の世界認識―イリュージョンなしに世界は見えない』

しばらく前に読んだ本。動物行動学の第一人者の日髙敏隆著。前に、飼い主を待つ犬を収容する施設に行った時、犬の目だとどう見えるかという望遠鏡というか、何というか、そういうのがあって覗いてみたことがある。随分とアバウトな世界だったように記憶している。色も人間から見るのと違ったし。これが猫なら、蝶なら、ハリネズミなら、と色々な生き物の世界を語っているやさしくて面白いエッセイ。

だいたい人間だって、何かのテーマについて考えていると、何でもかんでもそれに関連づけて見たり考えたりするわけで、だからそもそも同じ世界を見ていると単純にはいえないと思っているが、それを動物にするともっと分かりやすくなる。つまり生きるために必要な情報をピックアップして見ているといえばいいのか。例えばいつも盗みの機会をうかがっている人の目線から環境を見ると、わずかな隙が拡大されて映るに違いないのだ。逆に、自分がどういう観点から見ているのかという点で意識的でない人とのコミュニケーションの方が難しい。しかし、動物の世界認識が分かるなんて面白そう。



by kienlen | 2015-12-02 16:23 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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