『若い読者のための短編小説案内』

前々から興味あったけどチャンスがなかった村上春樹のこの本。この間また東京で本の物色していて、探していたわけじゃないけど目立つ所にあって購入。やはり現物が眼の前にあるとないでは大違い。そして案の定、すごーく良かった。「若い読者の」とあるが「老いた読者の」でも「老いつつある読者の」でも「壮年期の」に置き換えても、読む側としては何の問題もないと思う。読ませる側の事情はちょっと違うのかもしれない。

吉行淳之介と小島信夫と安岡章太郎と庄野潤三と丸谷才一と長谷川四朗の短編をひとつずつ紹介している。文学史の上では第三の新人と呼ばれる作家たち。アメリカの大学での講義録をまとめたものとのこと。この中で昔昔好んで読んだのは吉行淳之介で、他は読みたいなと思いつつ逃してきた。特に長谷川四朗はさしたる根拠もなく心惹かれる作家だったことは覚えている。作家目線で微細に解読しているのがとても面白い。全身で作家という熱を感じる。これをもっと前に読んでいたら、真剣に村上ファンになっていたかもと感じた。今からどうかというと、時間がない。

by kienlen | 2015-11-05 11:34 | 読み物類 | Comments(0)

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