『書きあぐねている人のための小説入門』

小説の書き方本の3冊目。1冊目は教科書的で2冊目は前衛的で3冊目はいかに、という期待で読み始めた。そしてこれは、いつどこで買ったか覚えていないけど、本棚にあったものなので私が買っておいたものでもある。読むのは初めて。著者の保坂和志さんの本は読んだことがなくて全く知らなかった。どうしてこの本、買ったんだろうか。どうもだいぶ評判になったもののようであることが読んでから分かった。著者は、実作者がこういうハウツー本を書くのは珍しい、と随所で述べている。私にすると、前2冊も作家によるものだったので、そうなんですか、と意外に感じたが、確かに発行はこの方が古い。まあ、そのあたりの事情は読む側にとっては重要ではないけど。

そういえば小説の定義って何だろうか。この本では小説とはこうあるべき、というのが結構前面にでていて、自分などが抱いている小説のイメージよりもだいぶそれは狭い。であれば私は小説をほとんど読んでいないかもしれない、ということは感じたけど、思わず涙ながらにうなづきたくなるような箇所もたくさんあった。例えば「〝作品〟の完成とは制作のプロセス自体のことなのだ」とか、映画を例に「短いショットには関心がなく、全体の流れを見てしまうのだ。・・努力して変えられるものではなく認識と記憶に関わる、ある種肉体的な特性なのではないか」とか、その他色々。全体的に書き方が大ざっぱだなと思っていたらあとがきで納得。書いていると論旨が厳密になってしまうのであえて口述にしたそうだ。厳密だから伝わるということは決してないから深く納得。しかしここでいう小説のハードル高すぎてさっそく萎えた。

by kienlen | 2015-10-29 19:50 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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