赤ひげ

昨日、映画館で赤ひげを見た。これのDVDは手元にある。映画好きの友だちが3,4年も前に何枚かお勧めの映画を送ってくれたものの中のひとつ。その友人からは電話の都度「見たか」と確認され、見てないことでひじょうに顰蹙をかっている。この先、送ってくれることはないだろう。彼の選択は、これまでの経験から私の好みと重なっていることは分かっているのだが、いかんせん、家でDVDを見るのは集中できないしスクリーン小さいし楽しめない。どうしてもっていうのや、妙な寂寥感で苦しい時とか、合計しても年に数えるほどしか、その気になれない。かといって手元にDVDがあるとお金払って劇場へ、というのにはためらいもある、という半端でいたところに、娘から赤ひげがすごい良かった、どれとも違う、こんなの見たことない、見るべきであるという連絡があり、背中を押される感じで行ってきた。消費行動の直接的きっかけは、第三者のリコメンデイションの典型例。3時間の長丁場なので、やっぱり家で見るのはちょっと辛いだろうと思う。

黒澤明監督。モノクロ映画。1965年の公開ということは、戦後20年、どんどん豊かになっていた時代の日本、ということになるか。山本周五郎の原作が有名なのかこの映画のせいなのか両方か、赤ひげといえば医者の代名詞なんだからよほどヒットしたんでしょうね。赤ひげ先生役は三船敏郎で、最初は嫌々ながら、幕府が設立して貧乏人ばかりが集まってくる小石川養生所に着任する新米医師が加山雄三。加山雄三ってこんなカッコいいんだ。モノクロの美しさって独特だし。出番は少しだったけど狂女を演じた香川京子がお美しかった。杉村春子がいかにもな悪徳女郎屋主。赤ひげの立ち回りシーンにスキッとし、それぞれの語る人生が底なし井戸のように深く暗く、行くところまで行くと何だか滑稽でもあり、場面の切り替わりがカッコ良くて、全体に美しく、セリフはどれもピリリとしていて、でもわざとらしくない、疲れない。確かに素晴らしい。チャンスを逃さなくてほんとに良かった。娘にはお礼メールした。それと黒澤ファンの友人にも感謝しています。


by kienlen | 2015-10-26 16:05 | 映画類 | Comments(0)

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