野火

東京に行ったついでに映画を観た。野火だ。娘から評判になっていることを聞いていたので、上映時間を調べたらちょうど観られそうな場所と時間だった。平日の昼間だったけどほぼ満員。こっちじゃあ考えられない。あの原作をどうやって映画化するんだろうと不思議だったけど、いきなりの場面がもう叫び声をあげそうになった。ストーリーは原作にかなり忠実な感じだった。肺を病んで行き場のない主人公がジャングルの中を彷徨いながら、生と死の間をギリギリ生きる。

本だと、例えば日本軍が襲った村には仕返しが来るので長居は危険というような説明があるが、映画だとそれがない。時々独白調の説明がいくらか入るけどナレーションもなく、ただただギリギリの生と簡単な死。そしてクライマックスの人肉食の場面。もっともギリギリだからこそむき出しになる人間関係もありずっとクライマックス続きで息を抜けるところはあんまりないんだけど。本を読みながらイメージしていたのとの間にギャップがなかった。ジャングルの中にたき火だか烽火だかの見える場面なんて、ああこれこれという感じの既視感。教会でのあの場面と、白旗を掲げた兵士に対するあの場面が脳裏に焼き付いてしまった。監督も脚本も主演も塚本晋也、すごかった。半端なところで妥協していない。原作を読んでいる方が分かりやすいと思う。

by kienlen | 2015-10-03 22:57 | 映画類 | Comments(0)

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