タイムリーなテーマを考えるのにいい

鈴木邦男『愛国者は信用できるか』を読み終えた。昨日、会員になっているけど遠くてなかなか行かれない大学の生協の書店に久々に寄って、予定外に仕入れてしまった中の1冊。この人のは雑誌以外で読んだことがなかったので本としては初めて。ああ、面白かった!愛国運動を40年もやってきた右翼の人なので、こういうテーマはお手のもの。運動してきたとうことは、つまり当事者ということで、私は、当人の報告が分析的で冷静で押し付けがましくなかったら、評論家のや取材モノよりも、どちらかというと興味をもつ。文章も入り組んでいなくて易しくて読みやすかった。愛国だとか愛国心という言葉があちこちに挿入されようとしたり、この意識を涵養しないと日本が滅びるのか、なんなのか私には分からないが、そもそも愛国者であるとはどういうことかの説明がなされているように感じられない。不満。

だから読んでみたわけだが、鈴木邦男がいいのは、自分は○○である、と何かにつけてご丁寧に自己申告してくれるが、だから皆も○○であるべき、とは決して言わないこと。意外によくあるのが、自分を表明しないくせに、か、したつもりでも筋が通ってなかったりで、それなのに人に対してはああだこうだとお節介をやく、お偉らそうな方々で、これってどういう感性なんだと悩んでいたが、最近は時間の無駄なのでウルサイ!無責任野郎女郎!で片付けることにした。平和になった。で、この本は、そういう不快感がない。著者が盛んに強調しているのが、つまり強制することは、その対象を貶めることである、ということだ。日の丸も君が代も愛国心も。その通りだと思う。私だって、あいさつそのものは嫌ではないが、あいさつ運動で強制されると嫌いになるし、強制する地域も嫌いになる。あいさつの代わりに、愛国心を当てはめても同じ。著者に共感の1冊だった。
by kienlen | 2006-06-08 23:23 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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