『ヨーロッパがわかる―起源から統合への道のり』

ヨーロッパ行きの準備として、一緒に行く友人から「ヨーロッパについて勉強して私にレクチャーするように」と言いつけられていた。勉強って言われても思い付くのは書物しかないので図書館に行ってたくさん借りてきた。その中の1冊の『仏独関係千年紀』というのがとても面白くてレジュメを作り始めたのだが、図書館で借りるのでは限界があり購入。高くて一瞬のためらいはあったけど決断。その後、読むべき本が多くなり過ぎて中断。せめて簡単なのをギリギリで間に合わせようと思ってこの本を買って読んだ。岩波ジュニア新書。表紙がほとんど隠れる広い帯に「知識ゼロから学べる入門新書。いま、読んでおけば必ず役立つ。時間を無駄にしない読書を。世渡り新書術」の惹句が並んでいる。コンセプトがひじょうに明快。シニアも読めるジュニア新書。

まずヨーロッパの起源から。自分がどこに線を引いたかを見直したら「ブドウが採れるため、ワイン文化はギリシャからイタリアを経て、フランスなどに伝わっていきました」だった。そういえば昨日、友人と雑談していて、同じ事象を見ても書く記事は人によって違うよね、という話になり、その友人の脳科学者にそれを伝えたら「ひじょうに興味深い。脳の働きの重要な点のひとつは、インプットされた事柄を再構築すること」というような説明をされたということだった。動物はどうなんだろうか。生存するための情報だけを選択するんだろうか。ヒトってやっかいで面白い。というわけで、著者はヨーロッパを大変分かりやすく再構築してくれている。共有している基本的な価値について、宗教と国家、戦争にあけくれた近代、統合への希求には長い歴史があること、代表的な政治家の手腕、そして未来展望など知りたい基本を網羅。最後のサブタイトルは「フランスは奮起を」。帯に偽りなし、知識ゼロでも大丈夫だった。


by kienlen | 2015-08-28 09:59 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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