『愛するということ』

この本、どうして買ったのか記憶にないが本棚にあった。エーリッヒ・フロムだから読みたいと思ったのか、それとも単純に誰かを好きだった時かも。ただ読んだ記憶もないので、どちらも深刻じゃなかったのかもしれない。で、たまたまこの本の最終章を読書会の後に原書で講読するということになり、参加することにした。だったら翻訳本も読もうとしたら、娘が先に読みたいと持って行ってしまい戻ってきたのが最近のこと。原書購読から想像する限り大変良さそうだったので早速読んだら、予想以上に良かった。

「愛というのは簡単に浸れるような感情ではない」というのが出発点。恋に落ちるとか一目ぼれとかは、ここで呼ぶ愛ではなく「愛は技術」という立場をとる。もうこの出だしだけで、おおなるほど!技術であるからには知識と努力が必要ということで「愛の理論」「愛と現代西洋社会におけるその崩壊」で愛についての知識を学び最後の「愛の習練」で技術を学ぶという構成。大変分かりやすい文章で深い考察。無駄も粉飾もない。「自分自身を『信じている』者だけが、他人にたいして誠実になれる」「安全と安定こそが人生の第一条件だという人は、信念をもつことはできない」などなど珠玉の言葉だらけ…と、分脈から切り離して引用したところであんまり意味はないが、根拠はもちろん書いてある。世界的ベストセラーなのだそうだ。ということは世界も捨てたもんじゃない。



by kienlen | 2015-08-26 22:18 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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