王様と私
2015年 08月 14日
これは観ないとと思って午前10時の映画祭に少し前に。何かで見たことがあるような気がしていたが初めてだと分かった。どの場面にも見覚えがなかったのだから。この映画について知っていたことと言えば、タイで上映禁止になっているということだけだ。だから観たかった。1956年の公開。そんな昔でもない。当時のタイの国際的な知名度がどうだったのか、王室がどうだったのか知らないけど、ものすごい違和感を覚える映画だった。特に、国王の、鼻でせせら笑うような「ハーン」という、何ていうのか合いの手というか合いの口というかがあまりに下品でびっくり。野蛮に描こうという意図なのかどうか、それにしてもかなり独特な表現であるように感じた。
物語の筋は、タイを近代国家にしなければならないと感じている国王が、イギリスから家庭教師を招き、王子や王女を教育するのだが、その間に色々なことが起きるというもの。ちなみに途中から王になる王子はタイ近代化に尽力したことで有名な王だ。国王には側室が何10人もいて子どもはだから膨大な数になる。その子達が次々登場する場面はちょっとしつこめに描かれているが、西洋から見たかわいらしさってこういう感じなのかと、ちょっと思ったりした。どの子もタイ人っぽく見えなかった。当時はあんな容貌だったんだろうか。タイ人といえばお目目ぱっちりを浮かべるが。ごくごく部分的にタイ語を話す場面があるのだけど、これが何だかよく分かりにくかった。大部分は英語。これを見てタイのイメージを作り上げる人がいるのかどうか知らないけど、それと、この年になると何を見ても面白さを見つけることはできて、国王とアンナの会話など結構なるほどと思ったけど、娯楽とはいえ全体的には不思議な印象ではあった。ただ、劇中劇は圧巻で、これだけで観た甲斐があると思った。
by kienlen
| 2015-08-14 17:06
| 映画類
|
Comments(0)