国に帰ったら長生きして下さい。

この間、タイ人が被告の裁判の傍聴に行った。少し遅れて入室すると、いつもなら数人の傍聴なのにやけに大勢いた。司法修習生がいるのは何度か見て違和感ないけど、そういう雰囲気でもない。そしたら、裁判傍聴のパンフレットを皆さんが持っていた。後ろの席がそうして占有されていたので前の方に座った。知り合いのタイ人がいると思ってきたのに1人もいないのは意外。平成2年の入国なので、知り合いは多いはず。永住ビザを持っている元日本人配偶者のタイ人女性との結婚を画策していたが叶えられなかった。関係者は誰も来ていないようだ。あるいは親しい人が裁かれる姿を見たくないのか。

検事は若い女性。ちょっと知り合いに似ていた。小柄でいかにも賢そうなピリッとした感じだけど笑うとあっけらかんとした面が見える、みたいな。弁護側は2人の若い男性。17年ひとつの会社で勤勉に働き、日本人同様の待遇だった点を強調して情状に訴える。裁判長が最後に「日本に来たのは成功だったと思いますか」と被告に尋ねた。彼は意味を図りかねたようだった。25年も日本で働いて、貯金できず家を建てたわけじゃない。借金が終わった後は女性に貢いだ。その女性は結婚してくれると言ったのにしてくれなかった。裁判長は「日本に来たのは失敗だったと思うんですよね。国に帰ったら長生きして下さい」という意味のことを、審理の時と判決言い渡しの時の2回アドバイスしていた。25年分を取り返すって容易じゃなさそう。


by kienlen | 2015-08-07 16:03 | タイ人・外国人 | Comments(0)

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