『「人間嫌い」のルール』

久々の中島義道。積んであった本で、前に読んだことがあると思ったが初めてなんだろうか。既視感あり。やはり好きです、中島義道。還暦の時に書いた本とのことで、人間嫌いを貫いて生きる技術を説くもの。ここでいう人間嫌いの分類が笑えた。7つのタイプに分けているのだが、なるほどーで、挙がっている例がなるほどー。自分には愚鈍な輩(つまり人類の大部分)を嫌う権利があると信じる自己優位型の典型が三島由紀夫と芥川龍之介で、少し自己反省を加えると夏目漱石。感情の同調圧力の部分は激しく同意。自分に共感すべきと思っている人との付き合いをどうするか。中島先生は30年間考え続けたそうだ。

共感ゲームから下り、ひとりでできる仕事を見つけ、他人に何も期待せず、家族を遠ざける。章立てに沿うと、こういうことになる。そして最後が泣ける。人間嫌いの共同体を作ろうというのだ。というのは、人間嫌いのほとんどは人里離れてひとりぼっちで暮らすことを望んでるわけではなく、自分の体温に適した風土が見当たらないだけなのだから、心地の良い共同体をつくれば、という発想だが、人間嫌いは徒党を組むことそれ自体が自分の感受性と信念に反するのでできないということになる。それでもね、という提案が、還暦のせいだろうか…。ただのエッセイでこんなことを書かれても読む気にならないけど、哲学者なので面白くなっている。しかし誰もが楽しめる内容とも思えない。
Commented by jun at 2015-07-16 06:52 x
アラ還になりつつある私としては、大いに共感圧力に屈せずとも共感できるもので、有難い本の紹介でした。老後の友人こそスープの冷める位の距離感も大事かなと思う昨今です。
映画は「アリスままで」を観ました。こちらは50歳で、家族に遺伝するアルツハイマーにかかった女性の原語学者の物語でした。設定の陳腐さを補うだけの家族の問題や友人の問題、そしてまさに今、現代を描いていることに多くを学んだ気がします。
Commented by kienlen at 2015-07-17 18:43
junさん、毎度ありがとうございます。共感できるなら読んでみて下さい。元気になる…かもですよ。少なくとも私は。アリスのままで、見たんですね。私は多分行けそうにないです。
by kienlen | 2015-07-15 18:58 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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