『百田尚樹『殉愛』の真実』

何もせずに過ぎていく毎日。少し読みにくい本も読まないとますますボケると思って色々手をつけてもちっとも進まず、ついこういうのに手を出した。たかじん当人を知らず、そもそもここで検証されている百田尚樹の『殉愛』も読んでないのに、その批判本を読んだということになるのだが、それなりに面白かったというか、このところ佐村河内事件、小保方事件と読んで、これである。分野はそれぞれ違うとはいえ、このみっつを読むと共通点が分かりやすい。現代が生んだとんでもモンスターがいて、その利権に周囲がしがみつくことで真実が隠ぺいされるどころか美談になり、そうはいっても嘘のあまりの大胆さゆえバレてしまい、事実が暴かれてみると(暴かれてないのもあるけど)、嘘そのものが唖然とする杜撰さ。で、世の中って実はこういう風に動いているんだろうなという怖さが残る。作家や科学者のウソはつぶされるかもしれないけど、権力者のウソは権力が続く限りバレない。

しかし理解に苦しむ。人気作家がどうしてここまでいい加減なことを書いたんだろう。なるほどね、と感じる分析がアマゾンにあって、それが大変興味深く、その通りだろうなと感じたけど、売れっ子で忙しくなって周囲がイエスマンばかりになるとこうなるんだろうか、いや、もともとそういう資質だったということか。本ではちょこっとだけそのあたりにも触れてあるが、ノンフィクションであるかどうかを検証する内容だけに、自由に想像力を羽ばたかせるようなことを書けるわけがなく当然慎重。これだけでは一方的過ぎるから元になっている殉愛も読まなければ、という気にはとてもなれない。
by kienlen | 2015-05-25 10:15 | 読み物類 | Comments(0)

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