パクチーとタイ料理と注文方法

夫の店の店番は予想通り暇だった。「ミヤ(妻) フィリピン」と怪しげなタイ語を使い、「ほら、かわいいでしょ、アムロに似てない?」と携帯に入ったインドネシア女性の写真を、お願いもしていないのに見せてくれる日本人男性がパッタイを食べたのみ。売り上げ高700円。暇なのでテレビを見ていたら、希望する女性がモデルになってダイエット(希望部分を細くする)競争するという番組をやっていた。家では全くテレビを見ないのでこういうのが人気なのかどうか知らないが、珍しいから見ていた。すると、1人のトレーナーは、タイの仙人の動作とムエタイ(タイボクシング)とタイ料理でダイエットメニューを組んでいた。唐辛子を大量摂取する私の好みは、どうやらここでいうダイエット食らしい。番組ではその代表として、ソムタムが紹介された。青パパイヤを削って酸っぱく辛く合えるもの。私の大好物でもある。へー、これが紹介されるとはね、と思って見ていたら、パクチー(コリアンダー)も入れるという。何を入れようが好みだが、私の知る限りパクチーをソムタムに入れるのは聞いたことがない。夫に聞いたら「あり得ない」。この料理は、夫の故郷である東北地方の郷土料理で、彼にとっては最も親しんでいるもののひとつだ。

外国の料理が飛躍的に応用されるのはどこでも起こっているからいいのだが、面白いと思うのは、日本ではパクチーがタイ料理の象徴のようになっていることだ。店にいると「パクチーが好きだからたくさん入れて」と、通常はパクチーの入らない料理を注文して言うお客さんもいるし「パクチーが食べられない」と表明する人もいる。それが暗示するのは「だからタイ料理は食べられない」ということ。パクチーは根っこをヤム(和え物)のソースに使ったりトムヤムに入れたり、もちろん葉もよく使うが、かといって何にでも入れるというわけではない。だから嫌いでも恐れることはないし嫌なら「パクチーは入れないで」と言えばいいのだ。タイ料理の注文方法で日本の人にとって分かりにくいのは、あれは入れるな、これを入れろ、と、とにかく我儘がきく、というよりは自分の好みを伝えることからスタートするということである。これに慣れると、タイ料理でない店のお決まりのメニューが不思議に思える。夫の店ではタイスタイルそのままで「好みを言って下さい」「メニューにないものも作りますよ」としている。慣れている人は当然の反応。でも、そうでない人には、そもそも何を言っているのかも分からない。それで、ここは日本だったっけ、と気付く。
Commented by クリス・ティー at 2006-06-04 18:16 x
ちい~っす!英語と関西弁とスペイン語対応可能な人で雇っていただきたいクリスです。ついでにお嬢さんの水泳コーチも引き受けますよ。
ご無沙汰です。パクチーの件は勉強になりました。あたしのは関西に来てからの「辛味修行」は土地柄韓国料理に傾きつつあります。確かにアメリカでもあれやこれやと注文で「わがまま」が言えるのに日本はそうはいきませんね。もうすっかり慣れてしまいましたが...そちらのパッタイが懐かしいです。またいつかかわいいサッカー青年の写真でも携えてお店にひょっこり顔を出したいもんですな~。
それでは、いよいよワールドカップなもんで!!
Commented by kienlen at 2006-06-04 22:17
お久しぶり、クリスさん。ウチのバイトの条件は「標準」日本語でして…。ちい~は何語ですか。パッタイ食べに来て下さい。アメリカでもわがままきくんですか。知らなかったです。
by kienlen | 2006-06-03 21:48 | タイの事と料理 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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