フォックスキャッチャー

見たのは先月だったか。強烈だった。観客は2人だけで、もう途中で苦しくなって携帯出して娘にメールしていた。怖いことを忘れるために妙にしゃべったり笑ったりするのと同じような感じといったらいいか。ほとんど何も知らずに、時間がちょうどいいなと思って、その日にいたオフィスの帰り道に映画館に寄ったのだった。レスリング選手と、彼のスポンサーになった大富豪の話。何というか、いい意味でなくてアメリカってすごいなと思うが、それを映画にしてここまで見せるというのはまたすごい。アメリカンスナイパーに抱いた感じとよく似ていた。これを続けてみたら、ああ病んでいる、と言いたくなってしまう。ただ、映画としては素晴らしいんじゃないだろうか。圧倒される。

本物のレスリング選手なんですか、彼は。木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのかを読んだ時の表紙の写真と文章とでイメージしていた体型にそっくりで、これかよと確認できたのが楽しかった。楽しかったのはそれだけであとはひたすら楽しくない話ばかりで最後まで。最後の最後も楽しくない。実話を基にしているそうなので、さらに楽しくない。半端に楽しみを入れないところが徹底していてすごい。富豪の孤独って、こういうことねと感じられて何かになるわけではないがなるほど。心の隙間に入り込むってこういうことね、なるほど。同じ不幸を背負って育っても自分の決断と出会いによってここまで違うようになるのね、なるほど。それにしても役者ってすごいなあ。日本の映画でこういうのってあるんだろうか。あまりの緊張に駐車券を劇場に落としてしまってさんざんな目にあった。

by kienlen | 2015-04-07 09:01 | 映画類 | Comments(0)

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