『文士の時代』

面白かった。文士なんて言える人が今の誰なのか分からないけど、あったんだろうな、こういう時代。写真もいいし、それに添えてある文もすごくいい。もうじき読み終わるという時に、いつもの先生から電話があった。何回も何回も。話題もないので、このような本を読んでいるんだよと言ったら「それ読んだよ」と言われた。そうそうこれは文庫に復刻したものでオリジナルはもう何年も前に出ている。彼にしたらここに登場する大方の文士と同窓生なわけだし、しかも文学が専門だし、そりゃあ読んでいることでしょう。「太宰が面白いよね」と言われたので、そうかなあと言ったけど、確かにそうだし、この写真が目玉でもあるらしい。アイツばかり撮ってないで俺を撮ってくれといってバーでポーズをとったやつ。

で、先生はご病気なのでしばらく話すとポチっと電話がきれて、当方続きを読んでいるとすぐまたかかってきて「読み終わった?」と聞くから「そんなにすぐには読めません、先生」と言うとへらへらと笑うのだった。で、今、川口松太郎とかいうと「ふーん」と言って切れて、またかかってくるという繰り返し。つまりこういうのが毎晩だと本を読むしかできないでしょう。それで次にかかってきた時に「小林秀雄」と言ったらまたへらへらっと笑って「小林秀雄が小説家なの」と言うから、違うよねえ、ということになった。でも〝文士〟だから。最初の電話は息を切らしている勢いだったがだんだん笑うようになった。「小林秀雄は中原中也の恋人をとったんだよ」と言うから「中原中也はあんなに若くて死んだのに恋人いたんだ」と言うと、また笑われた。彼のためのネタ本をまた探すとするか。こっちにいて読書会やって欲しいなと言ったのだが、無理みたいだった。

by kienlen | 2014-12-02 21:06 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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