バンコクの危険な建築物

バンコクから客人があった。私達がバンコク在住時に住んでいたタウンハウスの借主で、10年近く住んだので気分転換もあって引越しをするということ。少しでも家賃収入があるとタイへ行った時の足しになるし、私としてはタイへの短期でいいから留学が夢なので、その費用にもなるな、と思っていたので引越しは残念だが、しょうがない。懐かしい家の近所の様子を聞いて、10年の間の変化は大きいものの、決定的に秩序だった国に変身したわけではないことは分かった。タウンハウスというのは、日本でいうところの長屋のようなものだ。壁を共有しながら長々と同じタイプの住居が並ぶ。2階建てもあるし3階建てもある。一戸建てより手軽で、治安の面でも気分的には安心感を得られ(屋根から泥棒が入ったのを目撃した友人もいるのであくまで気分的)るし、1階を食堂や雑貨屋や仕立て屋にするなど商業目的にも利用しやすいので人気がある。

本日の客人によると、近所は一時建築ラッシュで眠れなかったらしい。なにしろ隣家と壁を共有しているのにもかかわらず、隣も向かいも新築、というか増築したのだそうだ。それも、向かいは4階建てで隣は3階。もともとは2階建てのもの。壁を共有する隣でガンガンやるのだから地獄だったという。そして「地震があったら倒壊ですね」と客人は自信あり気に言う。バンコクは地震がないということになっているので、私が在住時に遊びに来た友人の建築士が、建築中の建物を見て声を失っていたが、実は揺れなくてもつぶれる建物は結構あった。記憶に残っているものでは、地方都市においては外国人も泊まるしコンベンションにも使われるようなホテルが倒壊して多数の死傷者がでた。それから職場の同僚だったタイ人が買ったコンドミニアムが、だんだん傾き始めてとうとう倒れたと、すごく悩んでいた。建築主は、金を払ったら建て直すと言っていたとかで「庶民は騙されるばかり」と嘆いていた。有名人や外国人がいない限り、たいした問題にはならないのだ。過酷であるが、あそこまで徹底していると、そもそも誰かをアテにしようとか保証してもらおうという発想にならないので、潔くなる、というかならざるを得ない。
by kienlen | 2006-05-28 22:30 | タイの事と料理 | Comments(0)

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