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『詐欺の帝王』

読み始めてしばらく中断して忘れたためまた最初から読み直し。それでもじきに忘れますが。溝口敦著。著者が取材を進める中で裏社会の大物と知り合い、その人から聞いた手口を書いているということになっている。その人が詐欺の帝王。で、この人がそこまでの地位に上り詰める(というんだろうか)までの大学の時の様子が、かなりおぞましい。自分にも記憶のあるスーフリ事件が、ここまであくどいものだったとは知らなかった。で、この帝王は頭が切れて学生時代から頭角を表し稼ぎまくり、一方で学業もぬかりなくやっていい会社に就職して、で終わりにならず、裏社会に生きるようになるのだが、大物は手を汚さないわけで、そのあたりを小説以外で知る機会は貴重なんだろうな。

闇金からオレオレ詐欺から未公開株から、警察の締め付けと時代の変化によって手口を変えつつ進化していくというか、別の方面に頭を使ってくれたら日本のためになるのにと思わされる。描写があまりにバサバサしているのが最初読みにくかったけど慣れて来たというか、ちょっと最初は登場人物が多いのと、学生と某世界の関係とか知らないので文脈がとりにくいのがあった。身近に危ないタイプがいるのでこれを読んでいてほとんど全く眠れない日が一晩あった。無関係な世界と思えるといいのだが…。怖い。

by kienlen | 2014-09-04 16:36 | 読み物類 | Comments(0)

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