『毒草を食べてみた』

タイトルから、著者が毒草を食べて見てどんな症状だったかなどを記録したものだと想像した。読んでみたら全然違った。著者が食べているかどうかは分からない、というよりか、ほんの一部を除いては食べているとは思えない。だって、食べていたら死ぬくらいの猛毒の毒草が並んでいるのだから。で、亡くなったという事例は国内外含めて結構たくさん登場する。スイセンやスズランに毒があるというのは聞いているが、どの程度なのかは知らなかった。この本は図鑑みたいになっていて毒草の名前と属名、学名、英名と成分が書いてあって、一番下に人の形のイラストがいて、どういう症状になるのかを描いてあるのだが、それが立って全身がケイレンしている様子だったり倒れてケイレンしたり硬直したりとインパクトの強いイラストでこれだけでも見入ってしまう。精神錯乱、せん妄、幻覚、マヒ、なんていうのはたくさんある。それで、ここに登場するものすべて猛毒。致死量がほんのわずかの量なのには驚いた。実は寝込んだ時に読みかけのこの本が読めると喜んで読み始めたけど、嘔吐というのも当然多いわけで、あのラーメン、餃子にもしや毒草が…なんて考えたのだった。

最初に驚いたのはスイートピーだった。豆ってカラスノエンドウも食べられるし、これもピーなんだしなあ、なんて思って食べてみたら大変だそうだ。骨に異常をきたして頸椎マヒにかかるのだそうだ。毒草の犠牲は主に牧場の動物たちで、考えてみるとかわいそう。自分でぼつぼつと食んでいれば避けるだろうけど、干し草で大量に与えられたら一緒に食べてしまいそう。で、アメリカでスイートピーを食べた馬が死には至らなかったが、脚がマヒしたそうだ。ニュージーランドでは600頭の羊が中毒になって60頭が死亡とか。そしてさらに驚いたのはイチイだった。私は植物の名前を知らないので、イチイって聞いたことあるな、と読み始めて写真を見てゾゾゾとした。子どもの頃いつも食べていた実ではないか。これの学名が英語の毒の語源になっているほどだそうだ。おかしい、と思ったら、全体に毒があるのに、赤い果実の部分だけは毒がないそうだ。ただし種を飲んでしまった場合は危険。それを友人に話したら「大好きだから10個くらい口に放り込んで種をペッペと吐き出している」というから、危険を教えてやった。クリスマスケーキを焼いてイチイの葉を添えて友だちにプレゼントするとうから、それも危険ですと言った。怖い本だった。
by kienlen | 2014-04-12 07:53 | 読み物類 | Comments(0)

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