ハンナ・アーレント

ちょっと遠くまで見に行こうかなと思って、一応地元の映画館をチェックしたら上映予定に入っていたので楽しみに待っていた。春休みで暇な娘もアーレントなら行きたいというので一緒に見に行った。娘は第二外国語をフランス語と迷った挙げ句にドイツ語を選んでいたものだから、ちょうど良かった。「選ぶ前にこれ見ていたら迷わずドイツ語にした」と言っていた。アイヒマンがモサドに捕らえられる場面から始まって、アメリカの大学で教えていたアーレント教授が、自分から頼み込んだ新聞社からの派遣で裁判の傍聴にイスラエルに行く。そこで使われる映像が本物のアイヒマンなんだろう、初めて見たが、ガラスの向こうで語るアイヒマンの表情をじっと見入るアーレント。印象的だった。

新聞に発表した記事でアーレントがどうなり、家族や友人がどうするか。そして学生は。ひたすら淡々としていてドキュメンタリーのように進む。アーレントで読んだのは『人間の条件』だけだと思うが、その時に感じたこととこの映画のアーレント像はぴったり重なった。思考停止がいかに怖いかは分かるが、ここまで思考する人間像を想定しても無理があるのではないだろうか。そこをどうしたらいいのかが問題じゃないかと思った。今日の映画の印象もそれ。でも、アーレントのこの姿を見たらやはりすごいなと思う。そんな安易なことではないのだ。感動した。娘がどうかなと思ったけど、とても良かったようだ。
by kienlen | 2014-03-10 21:37 | 映画類 | Comments(0)

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