『上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』

夜眠れないということはそんなにないけど昨夜はあまり眠れなかった。心当たりは特になくて、もしやこの本のせいかもしれない。知人がやっている古本屋でたまたま見つけたものだが、お礼を言いたいいい実用本。自分には実用的な情報収集力が大変に低いことは自覚していて、何かあった時に情報を検討して選ぶというのではなくて専門家のいいなりになることは目に見えている。結局選択肢が多いと迷うから、自分に分からないことは半端に迷うより任せようという気持ちからだが、専門家がでは適切な判断ができるかというと、その点では痛い目にもあったことがあるから、皆が皆そうではないとは思う。人間のすることだし、個人の力にもよるのだから。しかし死ぬ時に苦しみたくないというのが希望としては一番大きい。でもそれに関する情報も、痛みのコントロールはかなりできるようになっているという程度のことしか知らない。痛みどめガンガン使ってもらおうくらいしか思い当たらない。そういえばバンコクの病院で出産した後、痛いと言ったら痛み止めくれて、まだ痛いと言ったら「年のせい」と言われたっけ。

で、この本である。素晴らしい本だった。上野千鶴子の本、久々。知人の店で何か買おうとは思ったがなかなかこれというのがなく、上野千鶴子ならはずれはないだろうと思ってこれにした。でも前に当事者主義のはあまりピンと来なかった記憶はあるが。それとおひとり様系のも読んでない。簡単に言うと、望めば死ぬまでひとり暮らしで家にいることは可能で、それを実現したいならこうすればよろしい、ということを解説した本。上野千鶴子が、在宅医療を行っている医者に質問して答えるという形式。私はQ&A形式は基本的に好きではない。安易なイメージがあるからだが、さすがに上野千鶴子にそんなことはなくて、実に充実していて知りたいことが網羅されている。成り行きで病院で死ぬのが一番いいし、家族を読んで看取ってもらえるだろうと疑わない人には興味のない本かもしれないけど、100%の確率で訪れる死について、自分でも身近な人でも、考える人なら読んで損はないと思う。自分ならどうするかを考えるためにも、差し迫っている場合にも。大変に安心できる本、希望の書で恐れてばかりじゃ残念な明るい気持ちになる。それと家族についても考えさせられる。さっそく付近に在宅医療の医院があるか検索したら意外な場所にあった。世の中の変化も速い。
by kienlen | 2013-12-03 07:50 | 読み物類 | Comments(0)

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