『犯罪ノート』

加賀乙彦著の昭和61年発行の潮文庫。加賀乙彦は好きという印象だけはあって、何でそういう記憶があるのかは覚えてなくて、何を読んだかも覚えてなくて、比較的最近、つまりお年を召されてからの講演を聴きに行き、記憶は何かの間違いだったかなと思ったりもして、でもこの古い本が本棚にあったので風呂用で読んでみた。すっきりした、というか、ひじょうに良かった。あちこちに掲載したエッセイをまとめたものなのでだぶっている部分は多いけど、ひじょうに分かりやすい内容。医師として刑務所で働き大勢の死刑囚、無期囚と接し、文通もし長期の付き合いもする中から思考を深めていく過程が分かるし、そこから表出してくる思考も納得できる部分が大きい。死刑反対、賛成の本はいくらかは読んだことがあるけど、それぞれなるほどと感じたけど、この本の深さは信仰とも関係してくるからちょっと次元が違うなって感じ。

感情論ではなくて科学的であることを第一義にしているので、関わっていない被害者の立場がどうのという議論は一切ない。だから分かりやすいというのもある。この当時と今の犯罪は、同じ部分もあるだろうけど変化している部分もあるんだろう。動機があって殺人に至るという単純さではないというのは常識になっているかと思うと、そうでもないことは報道を見れば分かる。ここで指摘されているようなことは活かされてきているんだろうか。すごくもっともなことのように感じるけど。こういう研究の専門書ではなくて一般向けで現在版があったら読みたいものだ。しかし新しい本だと風呂場に持ち込めないから、来年回しになるかな。防水の端末だったら便利そうだし、多分あるんだろうけど、その前に今ある古い本を読み倒す方を優先させよ。次は小林秀雄をピックアップしてみた。風呂場用の条件は難しくないエッセイ。
Commented by jun at 2013-11-16 11:51 x
ご無沙汰です。読書ざんまいの日々、羨ましい限りです。
小林秀雄はセンター試験に出てからまた注目度があがりましたね。
私は安い7型タブレットで長い半身浴を楽しんでいます。
防水でなくても湯気程度では平気だと思います。
先日は上田の砥石、米山城へ行って来ました。山城でしたがちょうどいい汗をかきました。本物の馬で米山の伝説も再現していました。
ではまた。
Commented by kienlen at 2013-11-17 12:43
junさん、お元気ですか。読書三昧にはほど遠い日々でありますよ。山もキャンセルしてしまいましたしね。しょうがないから来年のことばかり想う日々であります。
by kienlen | 2013-11-16 10:01 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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