『ダイヤモンドダスト』

南木佳士の本が続々到着でまずこれを読んだ。友だちから「それは芥川賞受賞作ではないのか」と言われていて、自分は知らないが、本の後ろの方にそう書いてあった。この頃、多分私は日本にいなかったように思う。色々な欠落があるのは当然である。もっともこっちにいたからといって芥川賞だから読むという趣味もなく、同じだったかもしれない。でも確かにこの方のは、自分の抱く文学というもののイメージにぴったりである。この本もそうだった。表題作の他に3つの短編を収めた文庫本で読んだ。面白かった。いずれも馴染みのある舞台回しで場面を浮かべやすい。ひなびた山村、信州の田舎の病院、タイのカンボジア難民キャンプ、ワカサギ釣りなど。

最後に加賀乙彦との対談があって、そのタイトルが「『滅び』への傾斜」。何か、時代を感じる、なつかしさ。今の文学ってどんな感じなんだろうか、たまには読んでみようかなあと思って、このところ2年くらい芥川賞受賞作を読もうと文芸春秋を買ったけど、結局挫折していて読めない。若い頃は実験小説みたいなのに興味あったけど、今となるとなあ、それに雑誌段階だと気合が入らないのか、いや気合の問題ではないか。その点、このような正統派というか普通の小説はほっとする。で、この対談も面白かった。小説同様、文学界に掲載されたものだそうだ。文学界って今もあるんだろうか。今、3冊目を読んでいるが今のところ飽きてない。
by kienlen | 2013-10-20 11:20 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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