秋の朝

朝一番で淹れたコーヒーが濃かった。濃いのが好きにしても極端。一口飲んだらタイが浮かんできた。この味をもっと俗っぽくしたら中程度のバンコクのホテルの朝食のコーヒーだなあ。昨夜は10年くらい会っていないんじゃないかと思われる知人とばったり会った。親しいという人ではないので個人的なことは知らないが、前よりも明るい印象を受けた。その人のオーラって不思議だ。いつも同じ人もいれば会うたびに違う人もいる。昨夜会った人はそこまで頻繁に会う人でないので当方の勝手な思い込みだが、前はちょっと暗めな印象を持っていた。しばらく話す時間があった。こんなににこやかな人だったかなあ、と何かひっかかりがあった。

だいぶ時間が経ってから、ある病気が見つかってもう長くないと宣言されたそうだ。それで仕事も1年間休んでいたそうだ。それから6年経ったそうだ。そうか、そういう経験をするとこの表情になるのだろうなと大変納得した。そして、生まれ変わったようなものだからあまり嫌なことはしないでおこうと決めたのに、前と全く同じことをしているんですからねえ、と苦笑いしていた。そうなのだ、自分もよく思う。そもそもこういうことは実際に体験しなくたって九死に一生を得たと思ってまっさらな気持ちになり、だいたいにおいて体の中でも外でも常にそういうことは起きているわけで、ああ生かされたと感じる場面は多いし、いつどうなるかを考えながら日々を見回すと、だからといって特に排除したいことはないしな、というところに落ち着いてしまう。生きるのも慣れなんだろう。彼もだからあの表情だったんだろう。
by kienlen | 2013-10-19 07:47 | その他雑感 | Comments(0)

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