『ルポ 虐待-大阪二児置き去り死事件』

著者が杉山春さんという、何冊か読んでいていいなと思っている人だったので買ってみた。2人の幼子がアパートに置き去りにされて亡くなっていたという大阪での悲惨な事件の背景を追ったもの。この事件は新聞の報道くらいでしか知らないので詳細を読むのは初めてということになる。いい内容だった。テーマは当然、なぜこんなことが起きたのか、である。それを探るために、最終的に懲役30年の刑の確定した母親当人に会えればいいのだろうけど、一度面会で短い会話を交わした後は法廷以外で会えずじまいとのこと。亡くなった子の父にも法廷以外では会えていない。それでもかなりのことが浮かび上がっている。実に考えさせられる。まず、この母親自身がある意味虐待の被害者だったという点は、こういう事件の常識みたいなものだろうけど、まさにその通り。そしてこれも人生を左右することだろうけど、この時にもうちょっとこうだったら違っていただろうに、という局面がいくつかあるのも、多分誰にも共通すること。

それにしても、家族関係とか母子関係とかいう本は、自分も悩んできただけにこれまでかなり読んでいると思うけど、この本を読んでいてさらに時代は変わっていて問題はものすごいことになっているという感じを持った。人間関係の希薄化が半端じゃない。過渡期にある場合は、その時期に葛藤があるだろうけど、もう異次元に来ているんだなという感じ。これでもかってほどにこの本の中で強調されていて、それは納得できる提示の仕方だった。それと、自尊心がない人が取る行動というのは、とんでもないものなんだということがこの本でよく分かった。これはひじょうに重要なポイントだと思った。それと風俗の仕事の移り変わりも的確に説明してあり、諸々の要素が絡み合っている様子を分かりやすく描いている。私は子供好きとはとても言えない性格ではあるが、さすがに年を取ると社会の役にたつことをしたい欲求は生まれるもので、対象はまずは恵まれない子供達への何か。具体的に何かは来年から考える。毎日毎日来年からのことばかりだ。その前に今年のことをすべきなのです。
Commented by 老婆心 at 2013-09-22 11:40 x
はじめまして。
この作者のかたは、どうやら
ごぞんじのことをわざと書かずに(またはぼかして)
善良な読者のミスリードを望んでいらっしゃるようです。

よろしければURLもごらんになってください。
Commented by kienlen at 2013-09-22 22:16
老婆心さん、コメントありがとうございます。見させていただきました。
by kienlen | 2013-09-16 16:33 | 読み物類 | Comments(2)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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