『犯罪精神医学入門―人はなぜ人を殺せるのか』

図書館で見つけて借りた。理由は単純で、著者が福島章だったから。若い時に結構読んだ。かといって理解できていたわけではないと思うが。そしてこの本も割と専門的だった。最初に池田小の事件についてだいぶページが割かれていて、これは興味深く読んだ。著者の関心は脳の器質的な方に重点があるのだが、あとがきにその理由が書いてあった。著者自身、人を殺したいと思ったことのない穏和な草食動物で、殺人という行為を起こしうるのはなぜかは精神分析家でもあり医師でもある著者の最大の謎なのだそうだ。となると、脳の形態を調べたくなる。それで殺人者の脳の形態を見てきて、しかしそれだけでもなく心理学的体験なども関与しているとも考えざるを得ない、というところで「殺人の謎をめぐる知のスケッチ」だとしている。

友達と、人を殺したいと思うかという話はすることがあるが、中には、ある、という人もいる。私には全くないので全然分からない。そういう点では視点は著者と同じになると思う。これが、分かるという人の視点だとまた違った発想になるのかもしれない。分からないものを知りたいというのが動機なのは分かりやすい。この本では自身が鑑定したものは扱ってない。だから安心して読めるというか、要するに公開されている資料から分析しているので、書けないことと書けることを著者自身が選ぶ必要がないということの安心感は読んでいる方にもある。そういうこともあとがきに書いてあり、その通りだろうなと思った。ジャーナリストのようなスタイルで専門家が書いている内容。簡単な本ばかり読んでいるから、こういう新書の一般書まで読みにくいと感じてしまう。本日返却。同時に借りていた佐藤優の獄中記はあまりに素晴らしいので半分くらい読んだところで購入した。
by kienlen | 2013-09-06 08:48 | 読み物類 | Comments(0)

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