『里山資本主義―日本経済は「安心の原理」で動く』

書店で見つけて買ったもの。タイトルで興味を持ったのと、藻谷浩介が部分的に書いていて、この人はいいなと思っているから。本を読む前に当人の講演を聞いて、信用できそうな人だなと好印象を持った。内容も大方その通りじゃないかと感じた。それからデフレの正体を読んで、いいなと思った。で、次の本がこれということらしい。もっともNHK取材班が書いている部分の方が多い。マネー資本主義で人々は不安になっている。まさに地に足がついていない状態だから。だから里山資本主義という保険をかけて二重構造にしておくのがいいじゃないかという提案の書。これは全く同感です。取材班は事例を紹介して藻谷さんが解説している。藻谷さんの解説がなかったら多分というかまず確実に途中で飽きているが、これがあったから買ったようなものだし読めたし、それだけの重みが解説にあると思う。

読み終えてからアマゾンの評価を見ていたら面白かった。「マネー資本主義を否定するなら…」として批判するのがあったけど、これ、マネー資本主義を否定していないところがミソだと思うけど違うんだろうか。そもそも、日本的な思考が弁証法的でないことをまず指摘することからこの本、始まっていると思うのだけどな。あくまでサブシステムを構築するという意味での里山資本主義と私は読んだ、って強調するほど読み手によって違いがあるほど複雑なことを書いているわけではなくシンプルに、日本で放置されている里山を利用することでマネー資本主義のサブシステム構築は可能であろうということ。それを証明する事例はたくさんあるんですよ、バックアップシステムがあれば安心でしょう、ということ。オーストリアが国をあげて取り組む仕組みは知らなかったのでなるほどと思った。事例は国内外問わず隅から隅まで負の側面には触れていない、深く突っ込んでいるわけでもない。こういう本の目的を考えるとそれでいいのじゃないかと私は思った。学術書じゃないし、意図を持って書いていることを表明しているものだし。愛国、人間愛のある内容。前向きな内容。私は共感。
by kienlen | 2013-08-19 08:59 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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