『七つの会議』

何冊目かの池井戸潤。いかにもって感じ。テレビドラマになっているそうだけど、そっちは見たことない。ドラマにしたら面白いんじゃないだろうか。これをドラマにするのってそんなに難しくなさそう。舞台は職場と家でよさそうだし、人物設定はすでにしっかり説明してあるし、関係性も複雑じゃない。何しろ人の名前も関係性も覚えられず、覚えないまま読んでしまうという自分のような読者でも分かるレベルで書いてくれている。素晴らしいサービス精神。それにしても、会社員ってこうなんですか。野望と上昇志向と嫉妬と羨望と足の引っ張り合いの固まり。それにほとんどのエネルギー使っているわけだ。もっとも会社員に限らないか。

今まで読んだのだと、中心にまっとうな人というのが出てきたと思うけど、これは割と全員が程度の差はあれまんべんなくずるい人、つまり小物達の乱舞で、まっとうなのは脇役的でしかもこれも小物。良くも悪くも大物はいないのが現代風でリアル。ま、何がずるくて何がまっとうって、ここまでくるとよく分かんないけど。いかにも、というのは、ネジという小さな部品が大々的な影響を与えるポイントになっているところ、親会社と子会社、大手資本と小規模資本、上司と部下など、池井戸スタイルのオンパレードなところ。登場人物が標本みたいに提示されて、あくまでそのキャラクターのまんまで意外性なく適正規模に絡まりあって最後はポトン。最近のでは読めなくて挫折したのもある中で、これは危なげなく面白がらせていただいたけど、空飛ぶタイヤのような正義感は感じられなかったなあ。世の中も変わっているってことかも。
by kienlen | 2013-08-02 00:30 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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