『ひとりでは生きられないも芸のうち』

内田樹著。先生のブログを若者向けに編集者がピックアップしたらしい。なんだ、若者向けか、と届いてから知った。でも読んでみたら中年でも熟年でも誰でもどうぞ、と思った。編集方針は分かりやすくて、表紙裏の言葉通り。「社会のあらゆる場面で<孤立化>が進むいま、私たちはどう生きるべきか?」。若い時にこういう本を読んでいて、それを指針にしていたら、ここまで孤立化しなかったのだろうか、私、と思ったりもするが、それはそれで分からないし、ここで言う<孤立化>はもっと深刻かもしれないし、いや、例えばウチの家族を見ても孤立化が浸透したゆえとも言えるかもしれない。ちょっとそのあたりはよく分からないところだ。とりあえずそれを分かろうとも思わないが、自分が今やたらに本に求めているのは、人生の一区切り感があるからに違いないとは感じている。これからどう生きたらいいんだろう。

今の続きで何とか道を摸索する、はひとつ。ただこれをするには「今まで」をちょっと総括する必要があるんじゃないだろうか。自分にとって何があるのかと自問すると、心当たりがなくなっていることに気付く。何かあると思ってドアを開けたら虚無が広がっているという、あの感じだな。ああ、開けるんじゃなかった、バタンとしまっておく。まるで青春時代のようではないか。そうか、だから若者向けの本に共感しちゃったりするのか、成長していないということか。本の感想になっていなかった。大変面白かったです。内田先生って、読んでいたけど何かで嫌になった、という人が周囲に複数いて、私も何かでそういう感じをもったことがあるような気はするけど、具体的だったわけじゃなくて、ギリギリのところの危うさだったかも。生き方の道具箱にひとつ道具が増えた感は得られる。次どうするかなあ、娘が本の話をよくする先生のお勧めが『呪いの時代』なんだそうだ。エッセイを何冊か読むと重複の不安はあるなあ。
by kienlen | 2013-07-31 11:10 | 読み物類 | Comments(0)

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