『不連続の世界』

恩田陸の小説。前に娘と書店に行った時に何となく買った。読み始めても何か入りこめない感で中断を何度か繰り返し、でも多分面白くなるだろうと思ってまた読んだら今度は一気におしまいまで。とても面白かった。この人の面白さって何かなあ。スケール感が不思議なのかもしれない。そういえばスケール感の話はこの中にもでてきたが、小説そのもののスケール感も。全体がゆがんでいるわけでもなく広がりがあるというほどでもないのに、読みながらイメージされる世界というのは狭苦しくないし、まっすぐな柱がずっと続く建物みたいな印象とは明らかに違う。そうか、だまし絵の世界、あれかも。あれを絵でやるか小説でやるか。

で、目的がそれだけみたいな潔さもあるような、ないような。しかし、高校生が面白いというのは分かる気がするが、いい年していいんでしょうか、恩田陸で。いいんでしょう、面白ければ。そのわが家の高校生は自主学習のため学校へ行った。娘が夏休みで家にいると仕事の気分になれず苦しいな、と思いつつ、娘のせいにするわけにもいくまい、しかし在宅仕事ってほんと辛いよな、いやいやこれは言い訳である単に、と思っていたら「学校へ行くからママは仕事してて」と言う。見抜かれていた。それで仕事もせずに本を読んでいる、いいのでしょうか、いけません。注文品が日に1冊届く、ってことは…。それでこの本は、主人公の感じが、よく分かるなあってタイプだった。グイグイ引き込まれるのとも違う。そこにくっきりした世界を作り出しているわけじゃなくて輪郭がないからいつのまにかってところか。
by kienlen | 2013-07-27 09:22 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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