『僕は9歳のときから死と向きあってきた』

柳田邦男があちこちに書いたものをまとめたエッセイ集。前に本屋で見てよほど買おうかと迷ってやめていたものを図書館で見つけて借りた。『犠牲』を読んで痛く感動して以来好きになっている作家だけど、取材したのだけよりも、自分のことを書いているこれはすごく良かった。読み飛ばすようなものでないので結構時間がかかった。深く深く感動しました。この人は何かを否定して論を組み立てるのじゃないのが好きだ。不幸と幸福とか、善と悪とか、そういう二元論的でないのも違和感がない。こういう本を読んでいるとほっとする。生きていく元気がでるというか。犠牲とかエッセイとかで息子さんの自死については知っていたけど、妻がずっと心の病だったことはこの本で初めて知った。

しばらく時間がかかったものだから、ちょっとの時間もと思って食卓の付近に置いておいたのを娘に見られて、興味をもたれた。あまり母が死についてばかり言うのもどうかと、この本とはミスマッチなのに、突然そんなことを思ったりしている自分がおかしい。このところの妙に具体的に強まる一方の孤独感が、色々とじゃましているような気もする。教科書なんかにありそうだなと思って娘に聞いたけど、ないんじゃないかという。読みたいと言うが、高校生にはどうなんだろうか。ユングも知らないというし河合隼雄も知らないというし、それだとちょっと難しいかもねと言っておいた。そもそも図書館のだから返却しないといけないし。目が腫れるほど泣いたな。これからも書いていただきたい方。
by kienlen | 2013-06-07 20:48 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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