『フィリピーナはどこへ行った-日本から消えた彼女たちの「その後」』

昨夜この本のことを書いてアップしたつもりだったのになかった。送信ボタンを押さずにシャットダウンしたのだろうか。そんなつもりはなかったのだが…。図書館に出入りしているので本がやたらに目について借りる日々で、こちらもそれ。フィリピンに行ったことがないのでイメージしにくいが、読み聞きしている限り、タイとフィリピンってすごく違いそうだ。よって、フィリピーナに入れあげちゃう人とタイ人女性に入れあげちゃう男性ではまた相当に違う感じがする。今まで読んだ本もそういう感じを強化するものだったが、この本を読んでいたら、タイみたいだと感じた。というのも変だな、多分視点なのかもしれないが、そうでもないか。何しろ、どこまでも男の目線というか、ステレオタイプな男の目線、しかもちょっと古目のそれで押し通しているというのが面白かった。こういう質問するんだ、の連続。

日本から戻ったタイ人がどうしているのかという興味がずっとあるので、この本の趣旨に興味があった。タイ人女性の多くが人身売買組織によって入国していたのに対してフィリピン女性は興行ビザだったのだが、この興行ビザの発給が厳しくなったのが2005年。アヨロ大統領の鶴の一声で決まったという程度の印象しか持ってなかったけど、この本に、背景説明があった。それはイラクに出稼ぎしていた民間フィリピン人が人質になって解放条件である派兵していたフィリピン軍を引き揚げたことへのアメリカの経済制裁として、重要な外貨獲得手段である日本への興行ビザ発給に口出ししたのだということ。外交って各種交換条件ばっかだけど、そういうことだったんだ。注意深く見てなかった、知らなかった。で、この著者はその措置が弱い者いじめであるとして、その弱い者であるフィリピン女性に話しを聞いて回っているのがこの本。出稼ぎ国家の悲哀に満ちているけど、もうちょっとだけマクロ的な解説が欲しかったなあ。それと絡めてくれると立体的にイメージしやすいのだが。ま、そんな姑息な領域に踏み込むよりも、男と女の話に終始の方がいいのだ、多分。
by kienlen | 2013-05-20 10:37 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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