「羅生門」

人ってそれぞれ見えている世界が違うに決まっている、言葉が通じているというのも思い込みなのだ、しかし、とはいえ、外国語よりは同じ言葉を話す人同士の通じ方は大きい、となると言葉は通じるのだろうか、そうかもしれないがそうでないかもしれない、しかし言葉が通じないのに感じるものがある方が、言葉が通じるのに違和感よりは深い部分で通じている感がある、むむむ、これは何なんだ、と感じる毎日。今日もその感じが膨らんで破裂しそうになり、思考力ゼロになり頭を使わない仕事をしていた。それでふと、そうだ、こういう時こそ羅生門だと思った。確かそういうような話ではなかろうか、確か今週じゃなかったか、確か、事実は藪の中って話しじゃなかったかな、と思って新聞を見たら夜の上映が7時から。行くしかない。娘と早めの夕食にして「羅生門を見に行きたい」と言うと、教科書に出てきたそうだ。

私は読んだことあるんだろうか、あるようなないような、記憶なし。娘は、あれを夜に見たら怖そうだと言う。そもそもどうやって映画にするのか、確かふたりしか出てこない、それに汚い場面だしなどなど言うから、それが楽しみなんであると私は言う。というわけで出かけた。観客ゼロだと怖いかも、しかしもしふたりだともっと怖いかも。3人はどうだ。結局5、6人はいた。やはり今日の気分とはフィット感があった。いずれにしろちゃんと見たいと思っていたものなので大変良かったし、面白かった。すごいな、芥川ということなのか、すごいな黒澤監督なのか、すごいな三船敏郎その他なのか、多分全部なんだろうけど、人間人間人間が迫ってくる映画だった。そしてユーモラス。この全体的な冗談っぽさというか、いかがわしさというか、仰々しさというか、素晴らしい。原作、ウチにあるよな、読んでみるか。娘も行けば良かったのに。予告で見た「海と大陸」というイタリア映画がすごく面白そうだった。見たい。
by kienlen | 2013-05-16 23:18 | 映画類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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