『シャイロックの子供たち』

しばらくぶりで池井戸潤を読んでみた。娘と本屋に行った時に文庫で買ってあったもの。短編集だと思って、だったら細切れの時間に読みやすいかなと思ったのだが短編風にして実はつながっているというものだった。舞台はいつもの通り銀行。ほとんど銀行のみ。結構読んだせいもあるが、ちょっと飽きてきた。何しろ自分にとってまったく実感のない感覚である。知らないものを知るのが本を読む面白味の大きなひとつではあるが、それにしてもちょっと辟易な感じになるのは、結局のところ、共感できる人物がほとんど皆無ということだろうと思って、途中で止めようかと思ったら後半が謎解きになっていて面白くなった。それで一応最後まで読んだ。始まりは軽い短編って感じで読み半ばは惰性でなんとなく読み、後ろは謎解きの本格派ってところかなあ。

それにしても銀行ってこういう所なんでしょうか。そういえば身近にいない人種であることに気付いた、銀行員。知り合い程度まで範囲を広げるといるけど、親しく本音で話すような人にいない。だから内情は知らない。ただ、自分で働きたいと思ったことは1度もない職種ではある。池井戸作品で好きなのは、銀行内部の話というよりも取引先との交渉とか中小企業の事情とか、自分にとっていくらかは身近に感じられる部分があるものであり、このように銀行とか組織内の足の引っ張り合いとかは、もういいやって感じ。白い巨塔も見たことだし。もうちょっと突っ込んだ内容だと、表面のテーマがこうであっても面白いとは思うけど。この年になってこれは無理かな。若い人向けと思われる。しかし重厚なのを読んでいるほどの心身共の余裕がないから…なあ…。
by kienlen | 2013-05-14 13:10 | 読み物類 | Comments(0)

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