「リンカーン」

ひとりで夜の部で見に行こうかと思った日に娘に話したら自分も行きたいというので、彼女の都合に合わせて昨夜見に行った、リンカーン。いやあ、これは素晴らしく面白かった。簡単な作りになっていないので娘が分かるかどうか心配しかけて、いや、自分の理解力の方が衰えているかもなと思った。スピルバーグ監督というと、何かものすごい大掛かりな娯楽というイメージがあるのだが、そして昔見た「未知との遭遇」はそんなイメージだったが、他に見てないので「ミュンヘン」で結構びっくりして、このリンカーンは割とタッチが似ているなという印象を受けた。ちょっとダークで重厚な画面。ギリギリの時にその人がどういう行動を取るか、さらに難しいのは組織との関係でどうするか。自分の言動が組織に直接影響を及ぼす場合の選択は、思想がしっかりしていればいるほど多分難しいものになるに違いない。ミュンヘンの内容をちゃんと覚えているわけじゃないが、そんな共通点があったように思う。

人道主義者としたたかさが矛盾するわけはないのに、ちょっとふたつが結び付かないような思い込みがあって、それがリンカーンを新鮮に感じさせてくれたのかもしれない。リンカーンについては本当に知らなくて、多分小学校の時に図書館にあった偉人伝シリーズで読んだくらいと思う。つまり何も知らないに等しい。名言の数々に感動し、家族内の葛藤になるほどと感じ入り、奴隷解放を憲法に入れる修正法案を通すための画策が手に汗握るスリルでいっぱい。チャチに感じるところがなくてレベルの高い映画って感じ。会話のすべてが面白く一瞬も隙がなく隅々まで丁寧。堪能しました。アメリカの良心の広報という感じもあり、このような形をもつ良心があるってどういうことかと考えたりもした。娘も大変気に入ったようでもう1度見てもいいなと言っている。内的なスケールの大きさを感じるものだった。暇でもないのに映画か、と思いつつも見て、やはり良かった。
by kienlen | 2013-05-03 21:20 | 映画類 | Comments(0)

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