『第一級殺人弁護』

調べ物しようと思って図書館に行き、それよりもこれを借りた。何も知らずにタイトルの「弁護」に引かれて棚から出し、で、連作のタイトルが不法在留とか措置入院とか、よくみんなが言うところのツボにはまるというわけで借りた。中嶋博行さんという著者は初めて読んだ。弁護士だそうだ。まあ、それで興味持ったのだが、そういえば弁護士の書いたミステリーって初めて読んだかも。とっても意外な盲点。ノンフィクションは読んだことあるけど、そっか、ミステリー。最初ちょっと読みにくい、というほどでもないが、そういえばこのところ、いかにも、というスタイルに馴れてしまったのか、文章のフラットさにひっかかりそうになったが、結局とっても面白かった。これは好みだなあ。娘に話して「そういえば弁護士のって読んでない」という点で一致。どんなのかと聞かれたから「ちょっと冴えない弁護士がねえ…」と言いかけたら、いかにも類型的なパターンでこれか、あれかというから、そういえばそのどれにも当てはまらないかも、と答えた。なんか、同世代の匂いを感じるというと変だろうか。でもそういう感じ。つまり同世代的なリアリティというか。

5つの短編なのだが、主人公である弁護士は同じで、誰か殺されるという設定も同じ。それで、唐突にえっと感じる箇所がひとつ、という感じがした。主人公は正義感に満ちあふれているわけでもなく、悪意でもなく、凡庸なのだ。しかも書き方もドラマチックだったり大げさではないのだが、よく見ると、と言うのも変だが、よく見るとシャイな気遣いがあるみたいな。感情描写はなくて突き放すようなスタイル。そして法律が織り成すパラドックスがやはり弁護士ならではの面白さかな。いやあ、知りませんでした、ということで同じ作者の別のを読みたいなと思って図書館に寄ったら休館だった。書店に寄るほどの根性まではなし。そもそも今日は出先のファミレスで朝食を食べ、友人に連絡して昼食誘ったらお茶になり、本が読みたくて美容院に行って髪切りながら読み、道中のあまりの景色の良さに感動して戻ったら遅くなっていた。しかし小説はキリがないからなあ、面倒さがないから逃避には一番ですべきこと先延ばし傾向。依存だな。
by kienlen | 2013-04-08 16:43 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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