『デフレの正体-経済は「人口の波」で動く』

著者の藻谷浩介さんの講演を一度聴いたことがある。この本の存在は知っていたが読んでなかった。講演はとても良かった。分かりやすい内容で納得できる分析だし、示した道筋にもいいんじゃないかと感じた。それと、人となりにも好印象をもった。ストレートで謙虚さがあって目線の位置がちゃんとしている。といっても、そういう漠然とした印象以外は知らない。テレビでもネットでも知らないし。で、そんなことがあって2年近く前の本を本屋で見かけて買ってあった。今日は電話をかけるというような雑用にも達しないことをやっただけで仕事にならず、ちょっとは足を動かそうと少し散歩に出て、それから仕事を諦めて、読みかけになっていたこの本を読み終えた。3000回に及ぶ講演をまとめたという体裁になっていて、話し口調なので大変読みやすい。経済学の知識がなくても一応読めるレベルに設定されているようだ。なるほどと思うことはたくさんあり、全体的に共感できる内容だった。

まずタイトルにもあるが、人口動態から経済を分析すべきというのが基本の主張のようだ。それで公式データを出して説明。まさにその通りだなと思う。人口動態から見ていくのは社会学では馴染みやすいが、経済学ってどうなんだろうか。この本を読んでいると、ふうんと思うこと多々。経済学の理論が人口を考慮しないであるわけなんだろうか、とか、私達が、常にマスコミで使われることで当然と思っている指標がいかなるものであるか、とか、ちょっと恐ろしいくらい。別にまゆつばとか極論とかではなくてひじょうに納得できる。そしてこれに納得できるということはイコール巷で流布している言説がいかなるものかと同義なんだからな…。いい内容だった。知人の経済人でシンプルに「貧乏人に金を配れ」と常々言っている人がいるが、この本の主張もまさにそれ。なぜなら使うからだ。はあ、内容に触れる元気がない、今日。いずれにしろ、なんとなく思っていたよりもずっといい本だったな。こういう方にがんばっていただきたい。もっともだと思うことばかり。人間味を感じる。
by kienlen | 2013-04-01 21:29 | 読み物類 | Comments(0)

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