気になる複写

昨日は図書館で比較的長時間過した。収穫は中期的にはあったが短期的にはなかった。移動の必要があったので外に出た。昼を抜いたので空腹だった。暖かくていいなと思いながら歩いていたら、前の方をボロをまとってゴザみたいなのを抱えてフラフラ歩いている男性がいた。ホームレスの人でこの公園をねぐらにしているんだろうか、この陽気ならいいけど冬は無理でしょう、と思いながら近付くにつれて、もしやと思って急いで隣に行ったら知り合いだった。声かけたらやはり、おお、と驚いていた。抱えていたのはゴザじゃなくてイグサ色のジャケットだった。「図書館に寝に来るんだよ。この間は追い出されたよ」と言う。「私もいたんだけど気付かなかったな」と言った。どこで寝ていたんだろうか。「この陽気なら外で寝れば」と言うと「そうだな」と言っていた。彼はミレーの画集の表紙のコピーを持っていた。「ミレーが好きだからさ」と言う。「画集は高いもんねえ」と私が言うと「だからコピー、10円だもんな」と彼。しかし表紙だけコピーするのって怪しいな。どっかで買うつもりってことでしょうか。

この人とは夫の店で知り合ったもので、油絵を描いている。その絵を見た時、結構いいなと思った。表現というのは面白くて、別のお客さんの絵を見た時は、はあなんて素直なんだろうと感じた。理屈は分からないが実に面白い。で、この人はいつも酔っ払ってはいたが、なかなかの人物には感じられた。目付きが鋭い。話し方がどこか客観的。ここんところ見ないなと思っていたら、入院していたという。フィリピンパブで酔いつぶれ、韓国人のスナックで倒れて寝ていてタクシー呼んでもらって帰ったけどますます具合が悪くなり、韓国人ママからは病院に行けと指示されて救急車で運ばれて入院。それから山の中にあるリハビリの病院で3か月。「山の中は合わないからC病院に転院させろって言ったけどダメだったんだよ」と言う。「Cに行ったら逃げちゃうでしょう」と言うと、もちろんそれが目的。こんな武勇伝は最近聞かないなあ。昔働いていた会社の社長が病院から逃げた話をよくしていた。体は復活したが酒は止めた。飲み屋街を歩いていると「行き倒れて死んだんじゃないのか」と皆にびっくりされるそうだ。時代は変わっているんだろうな、こんな話を聞く機会はもうないかもな、などと感じながら聞いていたが移動しなくちゃいけない時間になって失礼した。ミレーのコピーのことはちょっと気になる。今度現物を抱えて歩いていたら一緒に見よう。
by kienlen | 2013-03-08 08:52 | 出来事 | Comments(0)

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