『独立国家のつくりかた』

どこかで話題になっているのを見て興味持っていたところ、たまたま偶然ランチの店で会った知人が口にしていて、もっとも読んだのかどうかは知らないが、それでますます気になり、たまたま書店で見つけて買ってみた。たまたまとかますますとか猫とか魚みたいであるな。で、タイトルからイメージしていたのは、何かエキセントリックな内容かなということだったが、そういうことはちっともなく、とてもまともな内容だった。考え方に共鳴する人は多いと思うし、なるべくそれに近づけている人も多いと思うが、この規模で実行する力は天才的なんだろうなと感じた。革命家という言い方があったけど、それに匹敵するんじゃないか。ただ、従来のイメージだと現在の体制を倒すというものだが、これはそういう暴力なしなので、暴力が嫌いな者には受け入れやすい発想。ナントカ主義もないし、包容力のある革命家という一見矛盾しそうなところが、素直でまともで現実的と思った。

自分が若かったらもっと影響受けたかもねえ、子どもがそういうタイプで悶々としているようだったら読むのを勧めたかもねえ、と思った。読み物としては前半部分と最後が面白かった。途中の呼びかけ部分は斜め読みになってしまった。でも、こういうムーブメントは面白いし応用もできそうなので、参考にさせてもらおう、という意味で実用書だ。この経済社会システムって何か変と思う人は多いに違いないし、マクロに論じるものは多いし、パラダイム転換という発想のものも多いと思うのだが、かといって今、このちっぽけな自分がどうこの状況に対処すべきかというテキストに使えるものにはなかなか会えない。せいぜい自給自足的な生活とか人とのつながりとか程度の閉じた感じの発想になりがち。これは違ってどこまでも開かれていてゼロ円といいつつお金の流れを変えることにつなげているようだ。あまり丁寧でないところも気になるほどではなかったし、新しいタイプの啓発兼テキストとして面白かった。
by kienlen | 2013-03-02 13:23 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
プロフィールを見る