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カンタティモール

友人が自主上映するという連絡をくれた時に申し込んだ。ティモールの映画といえば虐殺が浮かぶが、音楽映画だということだった。多分、南国の陽気さの中に弾圧の歴史を盛り込んだものだろうと想像した。定員が少ないので2枚申し込み、娘に声をかけておいた。体調を崩していたのでどうかなと思ったけど今朝から持ち直していて、付き合ってくれることになった。会場は、何度か行ったことのあるジャズ喫茶。よって音響がいいということだった。早めに到着したので夕食に出ようと思ったら主催者である友人とばったり会う。ここで食べたらいいのにと言われて娘のためのパスタを注文。油っぽいもん食べて腹は大丈夫かい。対面に座った女性が鑑賞は3回目だという。よほど面白いんですね、と聞いたら、この映画で人生が変わったという。そういう出会いって羨ましいな、この年でそういうことは考えにくいから若い時に出会わないとね、と言う。

全体的にはとてもいい映画だと思った。多分洗練されていないのが魅力なのだ。ただ、やはりこういう年齢になってみると、もうちょっと凝縮して欲しいなという感じは拭えなかった。でも、それで多くの人に伝わるかというと、分からない。こういうストレートな伝え方は充分にありだと思う。大地から切り離された生活なんてないのだというティモールの人々の言葉には全く同感。ただ、それをどこまでどういう形で守れるのかというのが、多分難しさだと思うのだが、そのあたりの含みよりは、大地を強調する方向での描き方だった。監督は25歳だそうだ。年代の違いは大きいなと思う。それがまた興味深いところでもある。東ティモールのことは多分そんなには知られていないんじゃないだろうか。私もごく断片しか知らない。たまたま知人が運動に関わっていて聞いていた程度。娘はもちろん全く知らない。主催した友人達は劇場公開を実現させて協力を求めていた。見る価値は多いにあると思う。せめてチケット販売に少しくらいは協力したいと思う。娘に「パパも小さい頃からああやって水牛で田んぼを耕していたんだよ」と言うと「よくそういう絵を描いてくれたよ」と言っていた。
by kienlen | 2013-02-02 22:49 | 映画類 | Comments(0)

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