日本人を意識する時

忘れ物を学校へ届けるようにとの娘の電話で起こされる。気がつくと激しい雨だ。今チェックされたらまだアルコール分が検出されるかも、と思いながら車でギョウチュウ検査セロファンと検査用尿の入った容器を届ける。こういうものは「誰かに借りて」とか「明日にして」とか「だから前日から用意しておけっていってるでしょ」とも怒れないからしょうがない。指定された通りに下駄箱の靴の中に入れてやった。ちょっとした仕事を片付けて、遅めのランチをとりに夫の店に行く。タイ人女性と日本人男性のカップルが1組カウンターでビールを飲んでいて、夫も暇そうに、鶏の内臓のぶっかけご飯を食べていた。テレビで伝えている竹島問題に対して「こんな小さな島で争わないで、くれてしまえばいいのに」などとタイ人達。愛国者の足元にも及ばない自分だが、かといって、さまざまなニュースを他人事のようには思えない時、外国人に比べると確実に日本人だと思う。

私達夫婦を見て私に「大変ですねえ」と同情してくれる人はほとんどいないが、夫に「外国に住むのは大変でしょう」と言う人は、なぜかとっても多い。外国に住むということの何が大変か。そんなことは、各人の目的も状況も多様な中で一概に言えないが、自分の経験では、情報量の少ないことの気楽さの方をむしろ感じた。タイ語の新聞が読めないと、殺人やらレイプが多発していることを知らずにすむし、タイ語会話が分からなければ人々が、アパートに泥棒が入っただの、後をつけられて怖かっただの、貸した金が返ってこないだのの話でそんなに盛り上がっていることを知らずにすむ。タイ人にとっては日本は犯罪の少ない国であるが、毎日のように学校から「不審者情報」が配信され、あの手この手の詐欺やら予想もつかないネット犯罪、ドラックの氾濫などの情報が意識しなくても耳に入ってくる私にとっては、不安を抑えることが結構大変だったりする。どうもタイに住んでいた頃は夫の方がクラク、日本にいると私の方がクライような気がする。
by kienlen | 2006-04-20 17:31 | タイの事と料理 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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