碌山館

f0104169_9113829.jpg

荻原守衛の号がどうして碌山なのか『荻原守衛と碌山美術館』という古い本を読んでいたら夏目漱石の小説の主人公からとったという説を採用していた。昔、昔の若い頃、詩を読んでいた頃に高村光太郎とか碌山とか相馬黒光とかの人間関係を興味深く読んだ思い出はあるが、実際に覚えていることといえば、その人達が何か濃密なお付き合いをしていたらしい、程度なもんで、何も脳に蓄積されているものはない。で、今回碌山美術館に行き、確か昔来たことはあるよなあとは思ったが、やはりその程度の記憶しかなく、あるいはあまりに有名で写真も目にしているから、行ったことがないように行った気になっていたのか、それさえも分からなくなっていた。とにかく入館したのである。安曇野も強烈に寒いので、厳寒時の美術館というのはなかなか味がある。最後にありがたいのは、休憩室で薪ストーブがガンガン炊かれていること。とても素敵で鈴と絵葉書をお土産にした。

本館は扉を開けるといきなり暖炉の部屋というか暖炉のあるロビーというか。そこでまずちょっと暖まってから教会みたいな様式の建物の彫刻の部屋に入る。自然光なのが素晴らしい。あと年譜とか手紙とか読んでいると結構時間が必要で、それから碌山ゆかりの芸術家の作品を別館で見ていると、何か満たされた気分になる。見学者はどこも誰もいなくてひとりだったけど、休憩室で暖を採っていたらグループの旅行者が来ていた。碌山は昔から結構好きなので、ゆっくり見られて良かった。どうなんだろう、ひとりより何人かで一緒に見たらまた違うのだろうな。安曇野に美術館は似合う。このところ、枯れたツタがやたらに目に入る。つまりツタの絡まる建物を冬に見ているってこと。そうそうここに行く時に白馬の麓を朝に通り、マイナス10度を超す凍った景色の美しさに感動。碌山でも感動。
by kienlen | 2013-01-17 09:53 | | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30