珍しい本の話

しばらくぶりに少しばかりのドライブしてバイトへ。それから夜のバイトへ。移動時間を甘く見ていて夕食を取り損ねた。一食二食抜いてどうとなるものでもないが、ウサギに青菜をやりながら自分で食べたくなった。話題は特にないのだ。本も読めないし映画も見られないし、掃除もできないし、でもたまに店に行って飲むことだけはしている。昨夜もそうだった。友人が帰るのと入れ違いに見たことのあるお客さんがひとりで入って来た。他にお客さんなしな静かな店。その若いお兄ちゃんが面白い帽子を被っているから「いいですね、その帽子」と言うと「寅さんの帽子です」と言う。柴又で買ったそうだ。寅さん好きなんだそうだ。「映画が好きなんですか」と尋ねると「映画より本が好きですね」と言う。ほほう、そんな今どきの若い男性がいるなんてびっくり。いきなりそんな言い方するなんて。

へええ懐かしいこんな会話と思いつつ好みを聞くと「渋いですよ」と言うからどういう意味かと思ったら、まず深沢七郎。おお楢山節考ね、ひかりごけは違ったっけ、あれ印象にあるなあ、違いますよ、それ武田泰淳みたいな進展。こっちはもう何十年も前なんだからなあ。鶴見俊輔とか、それは渋いに入るのだろうか、そんなこんなで珍しい会話をすることになった。で、そのお兄ちゃんは、付箋を貼りながら読むそうだ。それは自分もやるので特に不思議はないけど、次に付箋の部分だけ読むそうだ、それから全体をもう1回読むそうだ。その方法で週に1冊か2冊読むそうだ。ほほう。大沢在昌の新宿鮫を何度も読んでいるそうだ。ほほう。色々話していて中島義道いいですよねえとなって、私が嫌いな10の言葉を読んだ時に救われました、というのも同じだった。読書に励んで下さい、疎外感に負けずに、とは言わなかった。タイムスリップしたような夜だった。
by kienlen | 2013-01-05 23:20 | その他雑感 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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