『最愛』

真保裕一著。友人からいただいた本。娘が好きな作家だというので、じゃあと思って一度別のを読もうとしたけど、外国が舞台で複雑そうな話で人の名前も多くて読みにくくて、使う頭の余裕なかったので早々に挫折したことがあり、これはどうかなと半信半疑。が、読み始めたら止らなくなった。途中で娘に言った感想は「人物が取る行動にリアリティを感じないんだよね。すっきりしない。でも、巧いよ。最後がどうなるのか予想つかなくて止められないよ。この小説は最後で決まる」というもの。で、読み終えて、まさにその通り。そして途中まで感じていたリアリティのなさが、なんでかというのが最後に分かる仕組みになっている。で、そのことがそのまんま解説に書いてあるではないか。一切合財嵌められました、参りましたって感じ。これは娘も読んでないので、次は彼女に回す。

頭を使わずに読むには最適。複雑じゃないし、でも、単純ってわけでもないし、描写が過剰じゃなくて、すんなり入れる。だいたいこのタイトルが最後まで全く分からないのだ。これも解説にあって、自分の感想と同じだけど、見事なタイトル。これしかない、みたいな必然性を帯びている。読み終えて初めて帯を見たら、みんな書いてあるじゃないか。つまり自分は思う壺な読者というわけだ。いわく「すべての謎はラストで明かされる」「姉はいったい、何をしていたのか」。娘がこの作家を好きになったきっかけを話してくれた。図書館で好きな作家のをよく借りていたら隣にこの作家の本がいつもあるので名前だけ覚えてしまった。そしたら、面白いなと思うドラマの脚本がこの人だった。それで興味を持って本を読んだら面白かった、そうだ。いやはや、面白かったです。こういうの読んでいると際限ないな、寝る前に読む程度で済んでいるうちはいいけど、こっちの領域を侵すようになるとまずい。ラストの部分は危なかった。
by kienlen | 2012-10-07 21:34 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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