あの場面が頭から離れない朝

この間のル・アーヴルの靴磨きのことが頭にくっ付いているのだが、入院していた主人公の妻を見舞った近所の女性達が枕元で本を朗読してあげていた。いいなあ、こういう見舞い方、いいなあ、と思っていたら妻が寝入ったので本をパタンと閉じた。ひじょうに厚い、これぞハードカバーという体裁の本で、それがカフカの小説だったのだった。ああ…。そういえば、ちょっとした場面の唐突さが変身みたいではありませんか、なんて思ったりもしたのだが、それにしても見舞いに訪れてカフカを子守唄かわりにするっていいなあ。ただ、その朗読場面は割と長く、字幕を追っていたのだが、速いし、会話じゃないし、詩的だしで、あれあれという間に意味も何も分からず過ぎ去ってしまった。何だろうか、あれ。読みたいな。

で、そんな雰囲気もノスタルジックで昔の物語かと思うと、でも、これも通貨の単位でユーロが出てくるのだから、少なくともユーロになってからだ。といってももう随分たつよな。ああいう謎めいた映画って、ここまで余韻が長引くのだなあ。そういう点でも何度も楽しめるというか、不思議というか魅力的な映画だったなあ。映画ってそもそも異空間だけど、さらに異なる異空間という感じだったなあ。この監督さんは、もしまた公開の機会があったらぜひ見たい。今公開中ので見る予定は高校生の部活の話。これを娘に「見たい」と話したら「小説が売れている」ということだった。ふうん、全然知らない。それからオレンジと太陽。で、遠くの映画館では闇金ウシジマ君をやっているけど、これは面白いんだろうか。しかし、あんな遠くまで見に行くのもなあ。
by kienlen | 2012-09-27 08:23 | 映画類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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