ザ・コーポレーションを観た

『ザ・コーポレーション』という映画を見た。昨日、電車で1時間半近くかかるM市で上映会があったのだ。これも友人がチケットを扱っていたので前売り券を買っておいたもの。電車賃より安い1000円はありがたい。ドキュメンタリーで企業ものでマイケル・ムーアもチョムスキーも登場、ということで高めの期待設定。良かったのは、営利法人の歴史をコンパクトに説明していて分かりやすかったこと。特に、法人への特権付与を求めるに当たって、当初から国に働きかけてきたのが弁護士という点。どれも好き、というわけではないアメリカ映画の中で、私が面白いと思うのは企業が絡むものなのだが、そこでいつも決定的に重要な役割を果たす弁護士の存在が少し理解できた気がした。ナチスのユダヤ人管理にIBMのパンチ式コンピューターが多大な貢献をしていたなど、ナチ体制を支えるのにもアメリカの営利法人が暗躍していたことを知らなかったので、これは刺激的だった。それからファンタオレンジが、コカコーラに代わるものとしてドイツで販売されるために製造されたことも…。

広告戦略や、アメリカ政府の他国への介入はこれまでも知る機会があったので前半はおさらい的な部分もあり、後半の方が楽しめた。乳牛への有害なホルモン注射を告発した番組製作者が圧力を受けるくだりは、内部告発者とジャーナリストの葛藤を描いた『インサイダー』によく似ていて、寒々しい気持ちになった。でも、圧力も強いだけに反発力も強いのは、アメリカならではなのだろうか。アメリカを実体験したことがないのだが、ここらへんは日本との差異を感じる。昨日は、ちょうど大澤真幸がアメリカ滞在中に書いたエッセイを中心にした『帝国的ナショナリズム』を読み終えたのと、夫と娘が、アメリカの1つの象徴であり、この映画の中でも当然取り上げられていたディズニーランドに初めて遊びに行った日でもあり、不思議な符合を感じた。これについてはまた書いてみたい。
by kienlen | 2006-04-16 23:16 | 映画類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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