『政治の修羅場』

夏の終わり、な雰囲気の光と空気。しばらく前に読んだ本がこれで、著者は鈴木宗男。佐藤優の本を読まなければ関心を持つこともなかっただろう政治家だと思う。著書は色々あるようだが、今回初めて読んでみることにして最新刊らしいのを購入した。タイトルそのまんま。つまり、思想とか国家感とか大きなものはほとんど書いてない。政治感みたいなのが多少出てくる程度か。政治家ってまるで修羅場を楽しむだけの種族なのか、それだけなのかと大きな誤解をするところだ、このタイトルでなければ。ということでワンテーマでこじんまりとまとめてあるという印象。著者の恩師というか親分の中川一郎を中心に、田中角栄とか金丸信とか小沢一郎とか、関わりのある大物が多々登場する。ま、年代によっては誰でも知っている有名人だからそれなりに面白いわけだ。

最後が「宿敵の研究」という章タイトルで田中眞紀子と小泉純一郎について。研究というほどの濃さがあるようには感じられないけど、宿敵だということは分かる。しかし、こうしてみると、あの騒ぎがいつだったのか、何だったのか、時の過ぎる速さを感じる方が大きくて、時間が何もかも呑み込んでいるという気がする。時間そのものが何かの責任を取るわけでもないのに、へたするとそういう錯覚に陥るな。ここで書かれていることも、一歩間違うと回顧録みたいに感じてしまう。そう昔のことでもないし、政治家としては現役だし、すべて今に至る重要な過程だというのに、この感覚、調整機能が働かないというか。年のせいかな。でも、これが国民と政治が乖離しているという感覚にも通じるんじゃないかと読みながら感じた。それはきっと著者が意図していることと反対なんじゃないだろうかということも同時に感じられるから救いようがない感じが深まるわけだ。まあ、一切合切、感じ、という曖昧さの中でのことだけど。政治家を目指したい人向けのテキストでもあるのかな。そっか、政治スクールのテキストかも。
by kienlen | 2012-09-07 08:51 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


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