新しい隣組長

チャイムが鳴ったので玄関ドアを開けたら、白髪で小柄で腰の曲がり気味なおばあさんが立っていた。モノ売りではないようだ。宗教の勧誘にしては、とって貼り付けたような笑顔がないので違う。「新しく組長になった○です。区費お願いします」と心細げな声で言う。400円×12か月分を払い、毎年自分で記入して最終的には区長が管理する「区民連絡カード」を受け取る。こんなご老人に何度も足を運ばせたくないので自分で持っていくと告げ、思わず「なるべく手間かけないで下さい」と言った。彼女は「年寄りなのでアホラアホラしていることがあるかもしれませんが…」と途切れそうに言って背中を向けた。我が家は、内部は壁もトイレのドアもなく、畳もないので結果的にバリアフリーになっているが、玄関の外に少々高めのコンクリートの段差があり、私でも足をくじきそうになったことがあるので、ここで倒れないでくれ、と祈りながらその背中を見送った。

この地区に越してきてちょうど3年になるが、そこから判断すると、じきに育成会の新役員が育成会費を徴収に来たり、区の幹部役員選びの紙も回ってくるはずだ。後者に対して私はこれまで「知らないので判断のしようがない」と書いて提出してきたら「ではお知らせしますから適切なご判断を」と一筆添えられた分厚い資料が届いた、なんてことは全くなく、同じことの繰り返し。選挙のように演説会があるわけではないし、抱負や思想や信条どころか、経歴が分かる資料があるわけでもない。そういうものを読むのは面倒だし、信用できるシロモノかも不明なのでない方が手間はかからないが、区、あるいは町内会というのか、こういう自動加入の地縁組織については、場所によって様相が大きく異なって一律に論じることができないせいなのか何なのか、盲点になっている感がある。一方で「地域」の機能強化を進める方向にあるという現実がある。数件単位の隣組レベルまで見渡す体制が整っているのだから、いろいろと利用価値は大きいだろう。となると、このような微に入り細に入り文化から来ていない、つまり何も相談できないタイ人と暮らす末端住民としては、ヘンなことに利用されたくないなあセンサーが作動しやすい新年度である。
by kienlen | 2006-04-16 15:38 | 地域 | Comments(0)

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