佐藤優『人間の叡智』

本読んでいる時間あまりない。ポツポツで読めるものだけ。これもアマゾンにて。文春新書。語り下しというのに惹かれて買ってみた。出だしの感じで若者向けの啓発書に徹しているのかと感じて読む自信なくしそうになったけど、後半の方が面白くなり最後まで。言っていることが大幅に変わるわけないから、佐藤優が色々書いている他のと重複する部分多々あり。ただ語り下しだけあってひじょうに易しく、ひねり少なくニュートラルなタッチになっている。遠慮深めというか。世界は新・帝国主義の時代になっている。だから日本も日本人も個人レベル、社会レベルであれ、もちろん政策も、それにマッチした方向でいくしかないということ。その点、野田政権は意識してかしなくてか、この時代にあっているということ。集団的無意識がそうさせているのだろうということ。

で、新・帝国主義時代を生き抜くためにどうするかというと、個人も社会も力を持たなければいけないわけだ。そのためには、エリートや中間団体が必要だが、これが弱まってしまっている。ちゃんとしたエリート、小泉改革ではなはなだしく破壊された中間団体も必要。私が面白いなと思った章は、橋下徹はファシストかという分析。この章と最終章の、物語が必要なのだというところが面白かったかな。それと、アメリカのような歴史の浅い国ということがどういうことかという点、なるほど、そっか、こういう風に考えられるなと思った。個別のマターについても言及していて、身近なところから解き明かそうという姿勢が鮮明。中東、ロシア、ヨーロッパと網羅的で、初心者向けに配慮が行き届いている感じ。やっぱり、もうちょっと重厚なのを読みたくなっているこの頃。しかし、しばらく難しそうだなあ。友人がトッドの『移民の運命』を借りていった。トッドはかなり登場していた、この本。わざわざ東京まで講演を聴きに行ったことを思い出した。確か日本も核武装を射程に入れるべきという主張をしていた。トッドの読んでない本もあるんだけど…。
by kienlen | 2012-08-01 21:06 | 読み物類 | Comments(0)

信州で読んだり書いたり、時には旅したり


by kienlen
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30